過走行車の廃車
廃車の手続きには一時的な自動車の使用を中止する「一時抹消登録」と、永久に自動車の使用を中止する「永久抹消登録」の2通りの方法があります。
この手続きの方法は自動車の種類によって変わってくるほか、その自動車の状態によっても違ってきます。ここでは「過走行車」の廃車手続きについて紹介いたします。
過走行車とは?
過走行車は一般的な自動車と比較して総走行距離が多い自動車のことを指します。
どの程度の走行距離になれば過走行車になるのかという絶対的な基準はありませんが、一般的に総走行距離が10万キロを超えているかどうかが過走行車とそうでない自動車の境界となっています。
過走行車はこれまで走行してきた距離が多い分、自動車に不具合が起きやすい場合があり、中古車としての市場価値も低く見積もられる傾向があります。ただ、過走行車であるからといって自動車として全く使用できなくなるわけではありません。
過走行車の一時抹消登録
過走行車の使用を一時的に中断したり、海外へと輸出したりする際に行うのが一時抹消登録という手続きです。
一時抹消登録は永久抹消登録とは違い、過走行車をスクラップする必要はありませんので、その登録を解除することによって再び使用を再開することができます。
また、もし一時抹消登録をした後に、その過走行車を永久に使用しないという判断をした場合は、解体届出という手続きを行うことで永久抹消登録と同じように二度とその過走行車に乗れない状態になります。
一時抹消登録の方法について
過走行車の一時抹消登録をする際には、幾つかの段階を踏んだ手続きが必要になります。
取り外すナンバープレートは前後2枚ですので、取り外し忘れにご注意ください。取り外したナンバープレートは一時抹消登録当日に運輸支局窓口にて返納をしますので、その時まで失くさないように保管しておきましょう。
窓口にて一時抹消登録の手続きを行いたい旨を伝えると、当日記入する申請用紙などの書類が渡されます。窓口にある記入例などを参考にしながら、必要事項を記入していってください。
手数料納付書にナンバープレートの返納証明印を押印してもらい、収入印紙を貼付すれば一通りの書類の完成しますので、持参した書類や当日作成した書類など一式を窓口へと提出してください。
この証明書は再び過走行車を使用する際に返納しなければならない他、解体届出の手続きを行う場合にも必要になりますので大切に保管しておいてください。なお、証明書の交付時間は早ければ30分ほどですが、窓口が混雑しているような場合は2時間以上待たなければならない場合もあります。
一時抹消登録が受理されても、自動車税などの納付義務は停止されていません。自動車税関連の手続きを行うためには、運輸支局内にある自動車税事務局で申請を行ってください。ここで自動車税関連の手続きを行えば、車検の期間が一定以上残っている場合、自動車税が還付されます。以上が過走行車の一時抹消手続きです。
過走行車の永久抹消登録について
過走行車はその状態によっては安全な走行が不可能になったり、市場価値が無くなったりして全く使用しなくなるケースはかなり多いと考えられます。そのような「二度とその自動車を使用しない状態」になった時に行うのが、永久抹消登録という手続きです。
永久抹消登録を行うためには申請を行う前に過走行車を解体しておく必要がありますので、本当に永久抹消登録をすべきなのか十分に考えてからにしてください。また、永久抹消登録を行っても過走行車にかけられている税金の納付義務や保険料の支払い義務は継続した状態ですので、忘れずに別途解約手続きを行うようにしましょう。
永久抹消登録の方法について
過走行車の永久抹消登録をする際には、幾つかの段階を踏んだ手続きが必要になります。
過走行車の永久抹消登録を行う場合も、取り外すナンバープレートは前後2枚で、これを手続きの際に運輸支局の窓口へと返納することになります。
永久抹消登録の手続きを行うためには、今後ずっとその過走行車を使用しないという意思表示が必要です。そのため、その証明として手続きの前にリサイクル業者などに依頼して過走行車の解体を行ってもらいます。当然ですがこの解体によって物理的にその過走行車を使用することは不可能になります。業者から過走行車を解体した旨の連絡があれば、解体された日付をメモしておきましょう。この日付のメモが自動車が解体されたことの証明です。
ナンバープレートは窓口で返納し、手続き当日に窓口で配布される書類に必要事項を記入し、印鑑証明書などと一緒に窓口へと提出して下さい。
この廃車証明書は、永久抹消登録した過走行車が廃車されてもう存在しないことを証明する大切な書類ですので、紛失しないように気をつけて保管しましょう。
永久抹消登録が受理されても、自動車税などについての納付義務は課されたままですので、その義務を解除するための申請を行います。窓口は運輸支局内にある自動車税事務局ですので、その窓口で永久抹消登録を行ったことと、自動車税に関する書類を提出しましょう。この手続きをすれば、車検の期間が一定以上残っている場合、自動車税が還付されます。これで過走行車の永久抹消登録は終了です。
一時抹消登録を行った過走行車について、これから先も使用することが無いと分かった場合に行うのが解体届出という手続きです。解体届出を行うことによって永久抹消登録と同じように、その過走行車を二度と使用することができなくなります。
一時抹消登録+解体届出=永久抹消登録と考えれば理解しやすいかもしれません。
なお、解体届出を行う際も、永久抹消登録と同様に、その手続きの前に過走行車を解体しておく必要がありますので注意してください。